舟
FUNE
COCA-13083
'95年12月10日発売
日本コロムビア
1. WELCOME |
人の想いも、コンピュータ・ネットワークも、全てを一瞬のうちに結びつける。そのことの素晴しさは、例えば想いを舟に、ネットワークを海に置き換えた時、見えてくる。アルバム『舟』。P-MODELの新たな旅の始まりは、航海というイメージに翻訳されて登場した。
現在のP-MODELは限りなく90年代的なたたずまいに見える。しかし彼らが独自なのは、そうした方法論が、あくまで70年代、80年代からのロックのリアリズム、つまりパンクであったり、テクノであったり、そうした文脈の中から生まれて来ているところだ。単なる思い付きではなく、必然の産物なのである。その分、重かったりするが、僕はだからこそ信用できる。
どこか懐かしい想い出の旋律がマシンに染み渡る。過去か未来か、そしてここはどこなのか?どこかに僕らを運んでくれるサウンド。ここには「舟」がある。
かつてホーキング、宜保愛子の両人に、物理、霊という違った観点で世の中の仕組みについて聞いたことがあるんだけど、彼らの実力のほどはともかく、各々の話から喚起されたイメージはボクの中で完全に一致。以来、ボクは2人が大好きになってしまった。“舟”は、そんなボクの大切な記憶を、なぜか急に蘇らせてくれた…。
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